愛犬が亡くなる際、飼い主様に挨拶をしてから旅立ったと聞いたことがある方もいるでしょう。
犬が亡くなる原因はさまざまですが、病気や老衰で亡くなる場合には、死の前兆ともいえる変化があるとされています。亡くなる前の愛犬の行動を見て、「お別れの挨拶をされた」と感じる飼い主様も多くいることでしょう。
犬の死の前兆やお別れのサインを知っておくことは大切です。この記事では、犬の平均寿命や死ぬ前の変化、最期を迎えるにあたり飼い主様にできる介護について解説します。
目次
犬の平均寿命はどれくらい?
アニコム家庭どうぶつ白書によると2020年度の犬の平均寿命は14.1歳です。寿命の長さは犬種やサイズによって異なり、一般的に小型犬のほうが大型犬よりも寿命が長い傾向にあります。
犬が亡くなる原因はさまざまです。老衰で寿命を全うする以外に、ガンや心臓病、腎不全など病気で亡くなる犬もいます。あるいは、交通事故や誤飲・誤食など不慮のアクシデントで亡くなってしまうこともあります。
犬が亡くなる前の変化とは?
亡くなる原因にもよりますが、死期が迫った犬には、死の前兆ともいえる変化が現れる場合があります。
犬が亡くなる前に起きること
病気や老衰などにより身体が弱ってくると、犬には以下のような変化が起こります。
食事を拒否する
元気だった頃には食欲旺盛だった犬も、死が目前になると食事を食べなくなります。フードだけでなく、今まで好きだったおやつなども食べません。ただし、食事は拒否しても、水だけは飲む場合もあります。
眠っている時間が多くなる
最期を迎える頃には身体が弱って立ち上がることが難しくなり、多くの時間を寝て過ごします。排泄はおむつやペットシーツを利用し、食事も介助が必要になるでしょう。
末期の状態とは
末期の状態で見られる症状は、意識レベルの低下や体温の低下、発作や痙攣などです。水すらも飲まなくなり、下痢が続く場合もあります。
この頃になると飼い主様が名前を呼びかけても、ほぼ反応を示さなくなるでしょう。なかには、このような過程を経ずに突然死する犬もいます。
犬は死ぬ前に挨拶をするのか?
犬が亡くなる原因や亡くなり方はさまざまで、必ずしも飼い主様にお別れの挨拶をするとは限りません。
しかし飼い主様のなかには、愛犬が亡くなる間際に「挨拶をしてから息を引き取った」「お別れを告げられた」と感じている方もいます。よくある経験談を以下に紹介します。
鳴く、尻尾を振る
犬からのお別れの挨拶と感じられる行動の一つに、鳴いたり尻尾を振ったりすることが挙げられます。
例えば亡くなる間際、家族がそろっているとき、みんなを呼び出すかのように鳴いてから旅立ったというケースや、体力も残っていないのに尻尾を一振りしてから旅立ったというケースです。
甘えてくる
他に、これまで飼い主様に甘えたことがないのに、亡くなる前にめずらしく甘えてきたという経験談もよく耳にします。
ほかにも飼い主様の顔をじっと見つめてから亡くなるなど、普段とは異なる行動を取るのは、愛犬から飼い主様への感謝の気持ちの表れかもしれません。
飼い主様が帰宅するのを見届けてから亡くなる
いつ亡くなってもおかしくない状況だったのに、飼い主様が帰宅するのを待ってから息を引き取ったという経験談もあります。
飼い主様の姿を一目見てから旅立ちたいという愛犬の頑張りがあったのでしょう。
犬の最期に飼い主様にできること
死期が近づいた犬は視覚や聴覚、嗅覚などが鈍り、体力も衰えていきます。不安な様子で鳴いたり甘えたりする犬もいるでしょう。
最期を迎えようとしている愛犬には、飼い主としてできるだけのことをしてあげたいものです。ここでは、飼い主様にできる対応の一例を紹介します。
清潔な環境を保つ
犬も人間と同様に、死期が迫ると筋肉や脂肪が減り、痩せてしまいます。寝たきりなうえに痩せてしまうと、床ずれができやすくなるため注意が必要です。
床ずれの防止策としては、市販の床ずれ防止グッズの利用や、寝ている犬の体勢をこまめに変えて寝返りをさせるなどが挙げられます。
末期になると自力での排泄も難しくなります。汚れてもすぐに取り換えられるよう犬におむつをしたり、ベッドにペットシーツを敷いたりするとよいでしょう。排泄物が漏れてしまったときは早めに片付け、汚れた身体は濡れたタオルで拭くなどし、清潔な環境を保ちます。
水が飲めないときはシリンジを使うと良い
犬は末期になると、食事だけでなく水すらも飲まなくなります。水分の摂取をやめることで身体は徐々に機能を停止し、ゆっくりと死に向かうでしょう。そのため愛犬が拒むようであれば、無理に水を飲ませる必要はありません。
ただし口内が渇いて辛そうな様子であれば、シリンジや水を含めたスポンジなどを利用して口内を潤してあげるとよいでしょう。
苦痛を取り除いてあげる
愛犬が病気になったら、飼い主様としてはどのような治療でもしてあげたいと考えるでしょう。しかし年齢や病状など犬の状態によっては、手術などの積極的な治療がかえって負担になる可能性があります。
ターミナルケアや緩和ケアなど、痛みを取り除くことを目的とした治療のみを行なう方法もあるため、獣医師とよく相談しましょう。病気の種類にもよりますが、治療を施しても痛みが軽減できない、呼吸の苦しさを排除できない状況にある場合に、安楽死を選択する飼い主様もいます。
いずれにしても家族や獣医師とよく相談し、納得のいく方法を選びましょう。
できるだけそばにいてあげる
愛犬にとっては飼い主様こそが家族であり、一緒にいることが安心感につながります。飼い主様は状況がゆるす限り、愛犬の側にいてあげることをおすすめします。
特別なことをしなくても、寄り添って声をかけたり、やさしくマッサージしたりするだけで、愛犬もリラックスできるでしょう。
まとめ
この記事では、犬が迎える最期のときについて解説しました。飼い主様によっては、愛犬が亡くなる際の行動を見て「お別れの挨拶をしてくれた」と感じることもあります。犬の最期の行動やサインを知っておくことは、いざというときの心の準備にもつながるでしょう。
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