「ペットを火葬したことがなくてやり方がわからない」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
火葬は、合同火葬や個別火葬、訪問火葬の3種類があり、それぞれ相場や内容が違います。
本記事ではペット火葬のやり方や火葬の種類などについて解説します。ペットの火葬を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
ペット火葬のやり方
ペットが亡くなった場合、まず何からしたら良いのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
ペットが亡くなってからご遺体を早く火葬しなければ、どんどん腐敗が進んでいき、きれいな状態で火葬してあげられなくなります。
ペットが亡くなった際に柔軟に対応できるように、以下ではペット火葬のやり方を解説します。
やり方①ペットのご遺体を安置する
ご自宅でペットが亡くなった場合、以下の2つのやり方で、ご遺体を安置します。
- まぶたを閉じ、手足を胸の方に優しく折り曲げる
- 全身を清める
ペットが息を引き取ると、2時間後に死後硬直をし始めるため、硬直が始まる前に、前脚と後ろ脚を内側に優しく折り曲げましょう。
足が伸び切った状態の場合、棺に入れることができず、火葬が難しくなります。
きれいに火葬をしてあげるためにも、手足を優しく折り曲げ、まぶたや口が空いている場合は優しく閉じてあげてください。
全身を清める場合、お湯で絞ったタオルやガーゼを使用して、被毛や目の周り、口元の汚れを拭き取ります。最後にブラシを使って毛並みを整えましょう。
その後、棺に入れますが、口や肛門から体液が漏れる可能性があるため、棺の底にシートを敷いて対策しましょう。
やり方②自治体に連絡する
犬を飼っていて亡くなってしまった場合、死後30日以内に自治体へ犬の死亡届を提出する必要があります。
狂犬病の予防注射を受けた犬の登録を自治体のデータベースから削除するためです。自治体に連絡する際は、以下の点に注意しましょう。
- 手続きには、1,000円~数千円かかる
- 死亡届以外に、犬鑑札と狂犬病予防注射済票も用意する
自治体に連絡する手続きは狂犬病予防法により義務付けられているため、必ずしてください。ただし、猫は自治体に連絡する義務がありません。
万が一、死亡届を提出し忘れると「狂犬病予防 第四条」に違反となり、20万円以下の罰金が課せられるため必ず提出しましょう。手続き方法がわからない方は、自治体に問い合わせることで解決できます。
やり方③ペット用の棺を用意する
ペット用の棺を用意する場合、段ボールのようなちょうど良い大きさの箱にご遺体を納めて上からバスタオルを被せましょう。
バスタオルを被せると、保冷効果や直射日光から避けられて、きれいな状態で安置してあげられます。
また、腐敗を防ぐために、箱にドライアイスや保冷剤を入れて冷やしたり、ペットシーツやビニールを敷き詰めたりする必要があります。
保冷剤やドライアイスは、直接肌に当てずにガーゼやタオルにくるみ、内臓が腐らないようにお腹あたりを重点的に冷やしてあげましょう。
やり方④火葬業者や自治体に依頼する
ペットの葬儀を行う際、火葬業者や自治体に依頼する必要があります。火葬場を選ぶ際は、以下のポイントを比較してみてください。
- 火葬方法:火葬場により合同火葬や個別火葬など、さまざまな火葬方法があります
- 予算:費用はペットのサイズや種類により異なるため事前に確認しておきましょう
- 希望の日時:24時間365日受け付けている火葬業者もあり、希望日時に柔軟に対応してくれることがあります
自治体でペットのご遺体は一般廃棄物として扱われるため、ゴミと一緒に火葬される場合があることを理解しておきましょう。
一方で専門業者はペットをご家族の一員と捉えられるため、火葬方法によりご遺骨がご返却されたり、供養されたりします。
やり方⑤ペットを火葬して供養する
ペットを火葬する際、亡くなってから数日以内に自治体や火葬業者に火葬の依頼をしましょう。
10日以上ペットを安置すると、腐敗臭や虫がわく原因となり無残な姿になってしまうこともあるため、ご遺体がきれいなうちに火葬するのがおすすめです。
また、夏場は特に腐敗が進むスピードが早く、見た目は大丈夫に見えても腐敗が進んでいることが考えられます。できるだけ早くの火葬を心がけましょう。
やり方⑥散骨
散骨とはご遺骨を粉状に砕き、自然の中に散りばめる方法のことです。お墓に入れたり、土の中に埋めたりするのではなく、大自然に溶け込んで最期を迎えられます。
散骨は人間の間でも近年人気を集めている方法で、管理の必要がないため飼い主様の負担も抑えられるのが特徴です。
しかし、散骨はお骨を砕いて粉状にしなければいけないため、手元にお骨が残ることはありません。お骨を完全に手放すは抵抗があるという方は、事前にお骨の一部を分骨しておきましょう。
ペットの火葬のやり方は種類により異なる
火葬業者に依頼する場合、3つの火葬方法があります。
それぞれの火葬方法により特徴や料金は異なるため、事前に火葬方法を理解しておく必要があります。
具体的にどのような種類があるのか確認しましょう。
合同火葬
合同火葬は、他の家で飼われた数匹のペットたちとまとめて火葬する方法を指します。一度に火葬できる数は、10体程度までです。
合同火葬は、費用を抑えられるメリットがあり、個別火葬と比較すると、相場が安く経済的な負担を軽減できます。
一方、他のペットと一緒に火葬するため、お骨が混じり特定のペットのお骨上げは難しく、ご遺骨が残らないデメリットもあります。
ペットの火葬費用を抑えたい方や、天国でも友達と一緒に楽しく過ごしほしいとお考えの方に合同火葬がおすすめです。
個別火葬
個別火葬は、ペットを一体ずつ火葬するやり方です。合同火葬のように他のペットと一緒に火葬するのではなく、ペットを個別に火葬してほしいという方に向いている火葬方法です。
合同火葬と比較して費用相場が高いため、あらかじめ予算を確保しておく必要があるでしょう。また、個別火葬は2種類あるため、それぞれ特徴を解説します。
一任個別火葬
一任個別火葬は、ペットを個別で火葬して火葬業者にご遺体を預けてから火葬、お骨上げまでをすべて任せる方法です。
スタッフにすべて任せる方法のため、立会いすることはできません。ペットの最後の姿を見られるのはご遺体を火葬業者に預けるまでのため、事前に後悔なくお別れをしておきましょう。
合同火葬とは異なり、お骨上げされた後は飼い主様に返骨されます。 時間がなくて火葬に立会ってあげられない、ペットが火葬されるところを見るのがつらい方におすすめの火葬方法です。
立会い個別火葬
立会い個別火葬は、ペットが火葬される際に立会い、飼い主様自身でお骨上げをしてあげられる火葬方法です。
ペットのご遺体を搬入してからは、読経やお別れのセレモニーが行われます。その後、火葬され、飼い主様によりお骨上げをしてあげてください。
お骨上げをするのがつらいという方は、近くにいるスタッフに伝えると飼い主様の代わりにスタッフがお骨上げしてくれます。最期までペットのそばにいてあげたいという方に、立会い個別火葬がおすすめです。
訪問火葬
訪問火葬は、火葬設備を備えた車が自宅まで来て火葬するやり方です。駐車場や思い出の場所で火葬が実施されます。
火葬業者により24時間対応しているため、飼い主様のご都合の良い時間に合わせて火葬できるのがメリットです。
また、自宅付近まで来て火葬が行われるため、遠くの火葬場まで行くことが難しい方にも向いています。納骨や埋葬は、火葬業者と相談して選択すると良いでしょう。
しかし、住宅地の場合、人により、目に見える場所で火葬されていることをよく思わない方もいます。近隣トラブルを避けるためにも、火葬する場所を考えておきましょう。
ペットを火葬する際の費用相場
火葬方法を選ぶ際、火葬方法の内容と費用を比較しましょう。
ペットの火葬費用は、ペットの大きさや火葬方法により異なります。合同火葬、訪問火葬、個別火葬の順で相場が高い傾向にあります。相場は以下のとおりです。
合同火葬 | 個別火葬 | 訪問火葬 | |
小型犬・猫 | 12,000~20,000円 | 21,000~30,000円 | 18,000~22,000円 |
中型犬 | 22,000~30,000円 | 35,000~45,000円 | 32,000~42,000円 |
大型犬 | 26,000~50,000円 | 45,000~57,000円 | 42,000~52,000円 |
ペット火葬の当日の流れ
ペット火葬の際、当日どのように過ごせば良いのかわからない方もいるでしょう。事前に当日の火葬の流れを理解すると、スムーズに火葬できます。
以下では、ペット火葬の当日の流れについて解説します。
ご遺体を搬入する
まずは、ペットのご遺体を搬入しましょう。
飼い主様自身でペットのご遺体を持ち運ぶ場合もありますが、火葬業者によりお迎えに来てくれることもあります。
自分でご遺体を運ぶのは難しい場合は、事前に火葬業者にお迎えに対応しているかどうかを聞いておきましょう。
セレモニーを行う
ペットのご遺体を搬入した後は、セレモニーを行います。セレモニーは、ペットのお別れを伝えられる最後の機会となります。
しかし、プランによりセレモニーが行われないこともあるため、事前に火葬業者に問い合わせておきましょう。
火葬する
ペットにお別れを伝えた後は、ご遺体が火葬されます。ペットのご遺体が火葬されている間は、待合室で待つか、訪問火葬の場合は自宅で待つ形になります。
ペットの火葬時間は大きさや種類により異なり、小動物は20〜40分前後、中型犬は60〜100分程度、大型犬は100〜120分程度です。
あくまでも目安のため、参考程度に理解しておきましょう。
お骨上げをする
ペットが火葬された後は、お骨上げをします。お骨上げは飼い主様自身で行うこともできますが、つらいという場合はスタッフに任せることもできます。お骨上げされたご遺骨は、そのまま自宅に持ち帰ることが可能です。
また、火葬方法が決まっていない方は家に持ち帰る、または納骨堂に預けておくと良いでしょう。
ペットの火葬は無料でできる?
上記でペットの火葬は安くても12,000円程度とわかりました。しかし中には、ペットの火葬を無料で行いたいと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
以下で、火葬を無料でできるか解説します。
ペットを自分で火葬する行為は法律で禁止されている
火葬する費用を抑えたいからといって、ペットをご自宅で火葬することはできません。ご自宅でペットのご遺体を焼却することは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により禁止されているからです。
ペットのご遺体は法律上で、一般廃棄物として扱われ、火葬して違反すると5年以下の懲役刑もしくは1,000万円以下の罰金刑、あるいはその両方が課せられます。
自分の土地であれば土葬できる
私有地であればペットのご遺体を無料で土葬できます。方法は以下になります。
- 穴を深く掘る
- 石灰を撒く
- タオルや手ぬぐいで、ご遺体を包む
- ご遺体を穴に収める
- さらに石灰を撒く
- 掘る前より土を盛る
- 定期的に手を合わせたりお花を植えたりする
浅い穴だと動物に掘り返されたり、悪臭が発生したり、腐敗臭を嗅ぎつけたカラスや害虫が集まる可能性があります。必ず深い穴を掘って、ご遺体を収めるようにしましょう。
ペット火葬に参列する際の持ち物
ペット火葬に参列する際は、悲しみにより何を持っていくべきか冷静に考えられないという方もいらっしゃるでしょう。
そのため、事前に持っていくべき物を確認しておくと、忘れ物したり、後悔したりすることを防げます。
以下では、ペット火葬に参列する際の持ち物について解説します。
数珠
ペット火葬の際は、数珠を持っていくとしっかり手を合わせてあげられます。
数珠には種類がありますが、ペット火葬は人間の葬儀とは異なり、種類関係なく利用できるため、人間の葬儀で使うものと同じでも問題ありません。
人間用とペット用で数珠を使い分けておきたいという場合は、事前にペット用の数珠を購入しておきましょう。
しかし、ペット火葬に必ず数珠が必要というわけではないため、新たに購入しなくても問題ないです。葬儀場で貸出を行っているところもあるため、事前に確認しておきましょう。
ハンカチ
ペット火葬では、ペットの姿が見られる最後の場であるため、涙が溢れ出ることもあるでしょう。涙を拭き取るためにも、ハンカチを持参しておくと便利です。
人間の葬儀の場合、ハンカチの色は白か黒を持参するのがマナーとされています。
しかし、ペット火葬では、厳格なマナーがないため、落ち着いた色のハンカチであれば問題ありません。ハンカチは忘れてしまいがちな持ち物のため、参列前に確認しておきましょう。
カメラ
ペットの最期の姿をおさめるためにもカメラを持参しておくと良いでしょう。近年では、ペットの姿を写真に残してもいいという火葬場が増加しています。
依頼した火葬場でカメラを使用する際は、スタッフに許可を取ってからスマホやカメラで写真を残しておくといいでしょう。
火葬の際はつらくて写真を撮りたくないと感じる方もいらっしゃいますが、一度火葬してしまえば元の姿に戻ることはありません。後から写真を見返したいと思っても写真を撮っていなければ、見返すこともできません。
火葬の前に写真を撮っておけばよかったと後悔する方もいるため、写真を撮ってもいい火葬場であれば、写真を残しておくと良いでしょう。
ペットのおやつ
ペットが好きだったおやつを天国でも食べられるようにという想いで、おやつを一緒に火葬してあげたいとお考えの飼い主様は多くいます。
少量のおやつであれば、一緒に火葬可能です。しかし、缶詰や袋に入った状態では火葬できないため、必ず袋や缶から少量取り出して、ティッシュに包み口元に置いてあげるようにしましょう。
袋
首輪や洋服、おもちゃなどをペットのご遺体と火葬してしまうと、お骨に影響が出てきれいに残らない恐れがあります。また、先述したように、おやつも缶詰や袋に入ったまま火葬できません。
そのため、ペットのご遺体と一緒に火葬してあげたいと思って持参しても、実際には火葬できず持ち帰らなければいけないという可能性があります。そのため、火葬できなかった物を持ち帰るための袋を持参しておきましょう。
火葬できなかったものは、形見として自宅に保管してあげたり、骨壷の近くにお供え者として一緒に置いてあげたりするとペットも喜んでくれるはずです。
お花
ペットをお見送りする際に、お花を飾って華やかにお別れしたいとお考えの方も多いでしょう。
ペット火葬の際は、お花と一緒に火葬してあげることも可能です。しかし、濃い色のお花やお花の種類によりお骨に影響が出て、きれいにご遺骨を残せなくなる可能性があります。
そのため、お花を一緒に火葬する際は、色が薄いパステル調のお花を選ぶようにしましょう。
ペット火葬後の供養のやり方
ペット火葬後はご遺骨を受け取り、供養してあげることが一般的です。ご遺骨の供養方法にも種類があるため、飼い主様にとって管理しやすい方法を選ぶことが重要です。
以下では、ペット火葬後の供養のやり方について解説します。
手元供養する
手元供養は、自宅での供養方法です。
ペット用の仏壇や祭壇を用意して骨壷を設置すると、毎日お供えして供養してあげられます。
また、近年では、ご遺骨を納められるアクセサリーも販売されており、毎日一緒にいてあげることもできます。
手元供養は毎日手を合わせてあげられる方法の一つですが、ご遺骨にカビが生えやすいことがデメリットです。
カビを防ぐためにも、粉骨したり、定期的にメンテナンスをしたり、普段から気をつけることが重要でしょう。
また、飼い主様が高齢の場合は、飼い主様が入院や亡くなった後はどのように供養するか考えておく必要があります。自己管理が難しくなった場合は、ペット霊園や合同墓地で納骨することも検討しておきましょう。
納骨堂に納骨する
納骨堂は、室内型のお墓でペット霊園に併設されていることが一般的です。
ロッカー型の棚に個別スペースが用意されており、スペースには骨壷や遺影、お供物を設置してあげられます。
納骨堂は室内に設置されているため、天候の影響を受けることなく、いつでもお参りしてあげられることが魅力です。
また、ペット納骨堂ではスタッフにより管理してくれることもあり、毎日お水入れを交換してくれたり、メンテナンスしてくれたりするところもあります。
快適な空間でペットに過ごしてもらうためにも、事前に納骨堂の様子を見て管理が行き届いているか確認しておきましょう。
また、納骨堂は年単位の契約であることがほとんどです。途中で供養方法を変えることもできるため、火葬後すぐに供養方法を選べないという方は、一度納骨堂に預けるのもおすすめです。
お墓を建てる
個別墓は、ペットごとに建てられるお墓で、人間と同じように供養してあげられます。しかし、個別でお墓を建てる場合、費用が高くなる傾向にあります。
もし費用は抑えたいという方は、合同墓がおすすめです。合同墓は、ほかのペットのご遺骨と一緒にお墓を建てる方法です。生前寂しがり屋だったペットやフレンドリーなペットは、お友達と埋葬してもらえると天国でも喜んでくれるはずです。
ペット火葬のやり方を事前に理解しておこう
ペット火葬のやり方には、合同火葬や個別火葬、訪問火葬の3種類があります。ご家族で話し合い決めましょう。
また火葬するまでに、ご遺体を安置したり、火葬業者に連絡したり準備をしましょう。
COCOペットでは残されたご家族の思いに寄り添いながら、心を込めてペットの旅立ちをサポートさせていただきます。
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