ペットにどんなお供え物をすればいいのか、ペットが亡くなって初めて悩む人は少なくありません。ペットは大切な家族の一員。だからこそ、思いのこもったお供え物をしたいと思う人も多いはずです。

この記事では、ペットのお供え物にどんなものを選べばいいのかについて解説します。定番のお供え物情報から、友人が愛犬や愛猫を亡くした際のお悔やみにも役立つ、お供え物選びのハウツーについても触れます。今まさにお供え物選びで悩んでいる方に、ぜひ、読んでいただきたい内容です。

ペットのお供えとは?

そもそもお供え物とは、神様や仏様、霊などに対して捧げるもののことを言います。水や花、食べ物や故人の好きだったものなど、信仰する宗教によってもお供え物の内容は変わります。無宗教の供養の場合でも、黙祷したり、追悼の意を示したりできる花などをお供えします。

ペット供養の場合も、一般的には飼い主の信仰する宗教のしきたりに沿って供養されることが多いです。そのため、知人の愛犬や愛猫が亡くなった場合は、知人の信仰する宗教に合わせたお供え物を準備するのが無難といえます。

ペットのお供え物の定番は?

ここからは、ペット供養でのお供え物の定番をご紹介します。

お花(生け花)

人間の一般的な葬儀では白い菊などの花を供えることが多いですが、ペットの葬儀では白以外の花を供える人が多いです。亡きペットのイメージや毛色などに合わせ、花を選ぶのも喜ばれます。

しかし、火葬時に花を供える場合は、濃い色の花は避けたほうが無難です。濃い色の花は遺骨を染めてしまうことがあるため、火葬の際に供えるなら、淡い色の花を選ぶようにしましょう。

おすすめのお花の種類

おすすめの花はバラ、ユリ、ガーベラ、カーネーションなどです。バラは華やかな香りが特徴的で、芳しい香りは飼い主の心を癒やしてくれます。ユリは存在感のある花で、飼い主の悲しみに寄り添ってくれる花です。

ガーベラは元気な印象の花で、ペットの無邪気で活発な面影を思い起こさせてくれます。カーネーションは控えめな華やかさのある花です。悲しみの気持ちを和らげ、温かい気持ちにさせてくれるでしょう。

プリザーブドフラワー

生花は毎日の水換えが必要だったり、次第に枯れてしまったりするのがデメリットです。その点、プリザーブドフラワーは手入れがいらず枯れないため、贈られた人の負担を軽減できます。

ブリザーブドフラワーのアレンジメントは自由自在で、鳥の形をした花器を使ったり、犬のマスコットをあしらったりなど、イメージに合わせて装いを変えられます。華やかながらも悼む気持ちが伝わるため、お供え物に最適です。

おもちゃ

大好きな玩具と一緒に弔いたいという気持ちから、おもちゃを供える方は少なくありません。生前よく遊んだおもちゃと一緒に弔えば、亡くなった愛犬や愛猫も天国で退屈せずに済むかもしれないからです。

しかし、環境への配慮などから、棺におもちゃを入れられないことがあります。棺に入れられない場合は、遺影のそばに飾るなどするといいでしょう。

おやつ

いつも食べさせていたおやつを供える人も少なくありません。通常、ペット用のおやつを人が食べるのは抵抗がありますが、最近では、お供えしたあとで人が食べられる商品も販売されています。ペットのおやつを粗末にしたくない人は、人間が食べられる商品を供えてもいいでしょう。

また、最近ではフェイクフードと呼ばれるものも活用されています。本物そっくりの食品サンプルのようなもので、フルーツやスイーツなど種類は様々です。腐らずに置いておけるため、お供え物の代わりとして利用するのもいいでしょう。

思い出の写真

ペットにとっても飼い主にとっても、思い出は宝物です。遺影とは別にスナップ写真などを飾ることで、亡きペットを懐かしむことができ、供養となります。写真は、携帯などでさっと撮影したものでも大丈夫です。かわいいフォトフレームなどと一緒に飾れば、立派なお供え物になります。

スマホなどで撮影した写真はスマホに保存されたままになることも多いです。何枚か選んでプリントアウトし、過去の思い出を改めて振り返ってみてはいかがでしょうか。

シーンに合わせて変えるべき|ペットのお供え物

お供え物は、葬儀会場だけでなく、家の仏壇、お墓にも供えます。TPOに合わせたお供え獲物の選び方についてご紹介しましょう。

葬儀会場の場合

棺や祭壇などにお供え物を置く場合があります。棺に入れる場合は、火葬できないものを避けなければいけません。生前使用していた首輪やおもちゃ、写真などをお供えすることが多いですが、一緒に火葬できるかどうかは葬儀業者に確認しておくといいでしょう。

家の仏壇に供える場合

日々の供養にと、ペット用の仏壇や祭壇を家に置く方は多いです。自宅の祭壇なら、どんなものをお供えしても大丈夫。供えていけないものはありません。

手元供養する場合は、ペットが好きだったおもちゃやおやつなどをお供えするといいでしょう。供えた食べ物は、家族で食べるのがいいとされています。人間が食べられるものをお供えするとベストです。

他にも、写真などで思い出を振り返られるようにするのもおすすめです。ペットを失うと、悲しさに打ちひしがれて落ち込んでしまうこともあります。クリスマスやお正月など、季節に合わせたデコレーションをしながら、亡きペットとの思い出を思い浮かべるのもいいでしょう。楽しかった思い出が、寂しさを和らげるのに役立つこともあります。

お墓に供える場合

最近ではペット霊園に納骨するケースも増えています。お墓では、お水やお花などを供えるのが一般的です。人間のお墓には、菊などの仏花を供える事が多いですが、ペットの場合はその限りではありません。生前のペットのイメージや毛色などに合わせて、供える花を選ぶといいでしょう。

おやつなどの食べ物を供えるケースもありますが、虫が湧いたり、野生の動物が食べ散らかしたりする懸念もあります。食べ物をお供えする場合は、手を合わせたらすぐに持ち替えるようにしてください。

頻繁に墓参りができる場合は生花でも構いませんが、生花も枯れて腐ると管理が大変になります。頻繁に墓参りに行けない場合はブリザーブドフラワーを供えるようにしてください。

合同墓地などでは、お供え物に関するルールなども決まっています。霊園などの規定に沿って、ルールを守って墓参りをするようにしましょう。

友人のペットへのお供え物

大切な友人の大切なペットが亡くなったら、その悲しみを共有したい、心からお悔やみを伝えたいと思うのは当然のことです。ここからは、友人のペットが亡くなった際の、最適なお供え物の選び方について紹介します。

お花

ペット葬儀のお供え物にも、その後の法要や仏壇などのお供え物にも、お花は使えます。人間の場合は菊やユリなどの花が多用されますが、ペットの場合は花の種類に決まりはありません。ペットのイメージや毛色に合わせたり、花言葉などで選んでみてもいいでしょう。

場合によっては、生花ではなくプリザーブドフラワーが喜ばれる可能性もあります。花束ではなく、フラワーアレンジメントのほうがいいケースもあるでしょう。大きな物は置けないケースもあるため、どこにお供えするのか、スペースはどれくらいあるのかを、事前に尋ねてみるのもいいかもしれません。

キャンドル・線香

供養の方法は、飼い主の信仰する宗教に合わせます。しかし、相手の信仰がわからないことも多いです。その場合は、宗教を問わず利用できるキャンドルを贈るといいでしょう。キャンドルには祈りを捧げるイメージもあり、亡きペットの冥福を祈る気持ちを示すことができます。

小さな炎がゆらめくようなキャンドルを選ぶと、受け取った方も使いやすいです。

友人が仏教を信仰しているのであれば、ろうそくや線香などをお供え物にするのもおすすめです。少しこだわった製品を贈れば喜ばれるかもしれません。

写真・写真立て

友人とペットのツーショット写真があれば、フォトフレームに入れて贈るのもおすすめです。スマホで撮影した写真をプリントアウトすれば、それだけでも悲しみが癒やされるかもしれません。

最近は、個人でも気軽に、写真入りのグッズを制作できます。Tシャツやクッション、キーホルダーなど、友人が喜びそうなグッズにしてお供えするのもいいかもしれません。悲しい気持ちが和み、元気づけられるでしょう。

まとめ

ペットへのお供え物には、原則決まりはありません。一般的には飼い主の信仰に合わせて供養が行われるため、水や花、亡くなったペットの好きだったおやつなどがお供えされることが多いです。

お供え物をする際には、葬儀に供えるのか、家の仏壇に供えるのかなどによっても変わります。合同墓地にお供え物をする際は、霊園ごとのルールを守ってお供え物をしましょう。

友人のペットを弔う場合も、基本的には気持ちが大切です。大切なペットを亡くした友人の気持ちを考えて、思い出を振り返るための写真を贈ったり、ペットが大好きだったおやつを供えたりしましょう。