ペットは生きものである以上、どれほど大切にお世話をしてもいつかは旅立ちのときを迎えます。家族同然の存在であるからこそ、心を込めてお見送りをしたいものです。
しかし、ペットの火葬や葬儀、納骨は、どこでどのようにすればいいのでしょうか。
この記事では、ペットが亡くなったあとの葬儀や納骨の方法、費用の相場などをご紹介します。
目次
ペットが亡くなったら葬儀から納骨まで考える3つのこと
もしペットが亡くなったら、どんなお見送りをしてあげたいですか。お見送りで考えなくてはいけないことが3つあります。
火葬かそのまま埋葬か考える
ペットは人間と同様、火葬をすることが多いですが、火葬を行わずに埋葬することもできます。火葬を行わずに埋葬することを土葬と言い、人間の土葬は禁止されていますがペットの場合は私有地内であれば可能です。
土葬には土葬ができる私有地が必要になるため、大きなペットや都市部に住んでいるなら、火葬を検討しましょう。
葬儀をする場合は葬儀会社に依頼
人間と同様にペットのために葬儀をしたいなら、葬儀会社にペット葬をしているか問い合わせましょう。昔はペット葬が珍しいものでしたが、ペットも家族の一員という考え方が一般的になりペット葬が当たり前になりました。
通夜は省略される場合が多いですが、ペット葬では、以下のことが行えます。
- 葬儀
- 火葬
- 納骨
納骨か手元供養(自宅供養)などのそれ以外か
ペットのご遺骨は、ペット霊園や合同墓地(合祀墓や合同供養塔)、納骨堂などで行えます。ペットのご遺骨を納骨することで、丁寧に供養できたと実感でき心の整理がつきやすくなるでしょう。
ただし、ペットを火葬した後に必ずどこかに納骨をしなければならない決まりはないため、納骨をせずに手元供養(自宅供養)をする方もいます。ペット用の仏具も販売されているため、遺影などと共に揃え供養してあげられるでしょう。
ペットの死から納骨までの流れ
ペットの死から納骨までの一般的な流れは以下の通りです。
- ペットを看取る
- ペット対応可の火葬場かペット葬儀会社へ連絡する
- 火葬(葬儀)をする
- お墓へ納骨もしくは家へご遺骨を持ち帰る
自分ならどのようにお見送りをしたいか考えてみましょう。
ペットを看取る
ペットの死はとても辛いものです。しかし臨終から数十分後に死後硬直が始まってしまうため、なるべく早く両肢を揃え横たわる姿勢に整える必要があります。
タオルでペットのお尻部分にあてがい、順番に抱きしめてお別れをしましょう。お別れをしたら、いつも使用しているペット用のベッドやダンボールなどに安置します。
ペット対応可の火葬場かペット葬儀会社へ連絡する
安置したらペット対応をしている火葬場に連絡し、火葬場や火葬時間を決めましょう。お葬式をしたい場合は、ペット葬を行っている葬儀会社に連絡する必要があります。10日以上経つとご遺体の腐敗が進んでしまうため、3日以内に火葬をするのがおすすめです。
自分たちで火葬場までご遺体を運ぶのが難しい場合は、専用車で火葬をしてくれるペット葬儀会社にお願いしましょう。
火葬(葬儀)をする
次に火葬場にご遺骨を持ち込み、火葬です。葬儀をする場合は、火葬の前に30分ほどのペット葬を行います。火葬炉の前でお線香を焚くなどしてお別れをした後、火入れし30分~1時間程度火葬します。
火葬が終わったら、火葬炉からご遺骨を取り出し、骨壺へと収骨します。火葬に関しては人間とほとんど同じです。
お墓へ納骨もしくは家へご遺骨を持ち帰る
収骨を終えたら、そのまま納骨堂やペット霊園に納骨し供養してもらいます。
自宅で手元供養をしたい方は、埋葬せずに自宅に持ち帰りましょう。たとえば、供養の仕方は、以下のとおりです。
- ペット仏壇を購入しその中へ納める
- 遺影と一緒にリビングに飾る
- アクセサリーとして身につける
ペットの葬儀ができる施設
ペットの火葬はお住まいの自治体か、民間のペット葬儀会社に依頼できます。ここでは、自治体に依頼する場合と、民間のペット葬儀会社に依頼する場合の詳細を見ていきましょう。
自治体の火葬
自治体の多くは、合同火葬を採用しています。他のペットと一緒に火葬されるため、ご遺骨は返ってきません。
対応は自治体によって異なり、廃棄物として焼却処理を行なう自治体もあります。事前に、お住まいの自治体のホームページなどで確認しましょう。
ペット霊園
ペット霊園のほとんどに火葬炉が併設されています。敷地内にはペット葬のできるセレモニーホール、お墓、納骨堂も揃っているため、ペット霊園にお願いすれば葬儀から忽滑までを一貫して済ませられるでしょう。
ペット葬儀社
ペット葬儀社はペット葬に特化した葬儀会社です。人間の葬儀と同様にお通夜、告別式、火葬まですることができます。またペット葬儀社では、ペット墓地や納骨堂などの提携先を紹介してもらえます。
移動火葬車(セレモニーカー)
移動火葬車(セレモニーカー)に自宅まで来てもらい、車内で火葬を行なう方法です。葬儀場まで出向けない方でも時間や場所を選ばずに供養ができます。しかし、夜間に火葬したり、人目に触れる場所で火葬したりすると、近隣トラブルの原因になります。
火葬のみを行う簡易的な供養になりやすいため、訪問火葬をする際には内容を確認しましょう。
ペット火葬の種類
ペットの火葬方法は基本的に合同火葬、個別火葬、特別火葬の3種類があります。それぞれの火葬方法の特徴やどんな方におすすめかを紹介します。
合同火葬
合同火葬は他のペットたちと一緒に火葬を行なう方法です。費用を抑えられる反面、ご遺骨が他のペットと混じってしまうため返骨してもらえません。ご遺骨を残したい方には合同火葬はおすすめできません。
一任個別火葬
ペットのご遺体を葬儀会社に預け、立会いやお骨上げは葬儀会社のスタッフに一任する方法です。一体ずつ個別に火葬するため、骨壺に収められたご遺骨は返却されます。火葬後のご遺骨を見るのが辛い方におすすめです。
立会い個別火葬
火葬の立会いからお骨上げまでを、飼い主様が行なう方法です。一任個別火葬との違いはスタッフではなく飼い主様が立ち会えることです。
火葬中に霊園やお寺などの僧侶にお経をあげてもらいたい方におすすめの方法になります。
ペット火葬の料金相場
ペットの火葬料金は、火葬方法やペットの種類、体重などによって異なります。
自治体の火葬は民間の葬儀会社より価格が抑えられますが、相場は1,000~1万円と幅があることが特徴です。民間のペット葬儀会社は、ペットの種類や体重に加え、プランにより費用が変わります。
以下は、COCOペットの火葬料金です。ぜひ参考にしてみてください。
合同火葬 | 一任個別火葬 | 立会い個別火葬 | お花で送る ペット火葬 | |
---|---|---|---|---|
極小動物 おおむね10cm未満 | 6,000円 | 15,000円 | 17,000円 | 47,000円 |
小動物 (2kg未満) | 13,000円 | 19,000円 | 21,000円 | 51,000円 |
うさぎ (2〜5kgまで) | 16,000円 | 22,000円 | 25,000円 | 55,000円 |
猫・小型犬A (2〜5kgまで) | 16,000円 | 22,000円 | 25,000円 | 55,000円 |
猫・小型犬B (5〜10kgまで) | 20,000円 | 27,000円 | 29,000円 | 59,000円 |
小型犬・中型犬 (10〜15kg) | 26,000円 | 32,000円 | 34,000円 | 64,000円 |
中型犬・大型犬 (15〜20kg) | 31,000円 | 38,000円 | 40,000円 | 70,000円 |
大型犬 (20〜25kg) | 37,000円 | 43,000円 | 45,000円 | 75,000円 |
特大犬A (25〜30kgまで) | 43,000円 | 50,000円 | 52,000円 | 82,000円 |
特大犬B (30〜35kgまで) | 50,000円 | 56,000円 | 59,000円 | 89,000円 |
特大犬C (35〜40kgまで) | 57,000円 | 63,000円 | 65,000円 | 95,000円 |
ペットの葬儀後の納骨について
納骨とは、火葬を終えたペットのご遺骨を霊園や納骨堂に収めることです。ペットの納骨については決まりがなく、納骨するかどうかも含めて飼い主様が決められます。
ここでは、納骨に関する選択肢とその詳細を解説します。
納骨をする場合
ペットの納骨を希望する場合は、どこに納骨するかを決める必要があります。
ペット霊園の納骨堂に納骨する
ペット霊園の多くは、屋内に納骨堂を備えています。納骨堂は扉がない棚型や扉のあるコインロッカー型などがあり、ペットがさみしくならないために写真や花を飾ることも可能です。
費用はスペースの大きさにもよりますが、屋外にお墓を建てるよりも安く抑えられる傾向にあります。
ペット霊園の屋外区画に納骨する
ペット霊園やペット用墓地にお墓を建てる方法です。手厚く供養できますが、墓石を購入する費用や年間の管理費などがかかります。
合祀墓(合同供養塔)
ペット霊園の一画にある合祀墓(合同供養塔)に、他のペットたちと一緒に埋葬する方法です。費用は火葬費用に組み込まれている場合が多く、管理も霊園に任せられるなど、ペットのお墓を継ぐ人がいない方に適しています。
人間と一緒のお墓
近年では、人間とペットが一緒に入れるお墓も増えています。ペットとずっと一緒にいたい方には適していますが、人間も入るお墓になることから、立地や環境などの十分な検討が必要です。
納骨をしない場合
続いて、納骨をしない場合にペットのご遺骨をどうするか、代表的な方法をご紹介します。
手元供養
火葬が終わったペットのご遺骨を持ち帰り、自宅で供養します。自宅に祭壇を作り、ペットの写真や思い出の品、花などを飾ってあげると良いでしょう。
手元供養を行う場合は、骨壷の中のお骨にカビが生えやすいため、注意が必要です。骨壷の周りにテープを貼ったり、骨壷の中に除湿剤(シリカゲル)を入れたりして対策しましょう。
散骨
散骨は海や山、自宅の庭などにご遺骨をまく方法です。ペットの散骨に法的な規制はありませんが、墓地以外への散骨を禁止している自治体もあるため確認が必要です。
自治体の条例で禁止されていない場合でも、公園など公共の場所への散骨は不快に思う住民もいます。散骨する場所の選定には、細心の注意を払いましょう。
なお、散骨の際には、ペットのご遺骨を粉状にする必要があります。火葬の段階で粉骨までお願いするか、粉骨のみを行なう専門の業者への依頼を検討することが必要です 。
自宅の敷地内に埋葬する
自分が所有する土地がある場合、ペットのご遺骨を埋めることも可能です。ただし、近隣に迷惑がかからないことが条件であり、先々に引越しする可能性がないか、自分たちが亡くなったあとのことも考える必要があるでしょう。
なお、自宅の敷地内であれば、火葬せずにペットの亡骸を埋葬(土葬)しても法律上の問題はありません。ただし、土葬は臭いの問題など思わぬトラブルが生じかねないため、ご遺骨を埋めたほうが安心です。
ご遺骨をアクセサリーに加工する
ペットのご遺体をアクセサリーに加工する飼い主様もいらっしゃいます。たとえば、ご遺骨をパウダー状に粉砕し、カプセルに入れてペンダントとして身につけられます。
COCOペットのオンラインショップでご遺骨を持ち歩くためのアクセサリーやキーホルダーが販売されているため、ぜひ参考にしてください。
全ての商品 | ペット仏壇、位牌、仏具の通販サイト・&COCO(アンドココ)
永代供養について
大切なペットをしっかり供養してあげたいと思う方は、納骨の際に永代供養プランを選ぶこともおすすめです。永代供養は、お寺や霊園がペットのご遺骨の管理を行ってくれます。
遠方に住んでいて頻繁に訪問できない方や、管理の後継者がいない方はぜひ検討してみてください。
ペットの葬儀後に納骨するメリット
納骨堂に納骨したり、お墓に埋葬したりするメリットは、飼い主様の心の整理をつけられることです。ペットの死後、お別れは寂しいですが、丁寧に供養してあげたいと思う飼い主様は多いはずです。
納骨を行うと、お寺やペット霊園を訪問し、いつでも手を合わせられます。管理も任せられるため、毎日訪れる必要もありません。
また、自分の死後、一緒に埋葬してほしいと考える飼い主様もいらっしゃいます。ペットと一緒にお墓に入ることも可能ですが、お寺や霊園によって禁止されている場合があるため、事前に確認しましょう。
ペットの葬儀後に納骨をするデメリット
ペットを納骨するデメリットは、管理費用がかかることです。安くても月額1万円かかってしまう施設がほとんどです。最初は支払いしていたものの、自宅での供養に切り替える飼い主様もいらっしゃいます。
また、人間用のお墓にペットも一緒に埋葬したいと考える場合、親族とのトラブルにも注意しましょう。親族の中には、ペット嫌いやアレルギーがある方もいるでしょう。将来的にペットと同じお墓に入ることを不快に思う方もいるかもしれません。
ペットを自分と同じお墓に入れたい場合は、親族間でよく話し合うことをおすすめします。
知っておきたいペット葬儀後の納骨の手順と費用相場
最後に、ペットの納骨の時期や手順、費用相場をご紹介します。
納骨の時期
ペットの納骨時期には明確な決まりがなく、飼い主様の気持ちの整理がついてからで良いとされています。ペットが恋しくてなかなか時期を決められない場合は、四十九日や一周忌、三回忌などの節目に納骨するのも一つの方法です。
納骨の手順や費用相場
納骨の手順として、まずはどこに納骨するかを決めます。火葬の際にペット葬儀会社から霊園(納骨)の案内をされることもありますが、その場で決める必要はないでしょう。
納骨にかかる費用の相場は、合祀墓か個別墓地か、あるいは納骨堂を利用するのかによって異なるため一概には言えません。納骨料以外に、年間の管理費などが発生する場合もあります。予算との兼ね合いも含めて候補地を見学し、飼い主様が納得できる場所に決めてください。
飼い主様の気持ちを大切にしよう
ペット葬儀会社にもよりますが、セレモニーの際にたくさんの花を飾ってお見送りをするプランや、納骨とは別にペットのご遺骨の一部をアクセサリーにするプランもあります。
大切なペットを安心して見送れるよう、葬儀や納骨は飼い主様の納得のいく方法を選ぶとよいでしょう。
まとめ
ペットの火葬や納骨方法には複数の選択肢があり、ペットの種類や体重、葬儀会社のプランによって費用も大きく異なります。
人間の葬儀のようにペットの葬儀には厳格なルールはないため、飼い主様がどのようにペットを見送り、供養したいかを優先して決めることが大切です。
COCOペットでは、生前の終活についてのご相談も承っております。些細なご質問でも、お気軽にご相談ください。