親しい友人や恋人、会社の上司・同僚が大切なペットを亡くして悲しんでいるとき、「どのような言葉をかけるべきか」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ペットを亡くしてしまった飼い主様に言葉をかける際には、相手の気持ちに寄り添うような言葉を選ぶことが大切です。ただし、ペットやペットの死を身近に感じたことがない方の場合、かえってNGな言葉をかけてしまう場合もあるため、注意が必要です。
本記事では、ペットを亡くした人への言葉について、状況別の例文を解説するとともに、選ぶべきではないNG言葉を紹介します。
目次
ペットを亡くした飼い主様へ接する際のマナー
まず、大切なペットを失ってしまった飼い主様に接する際のマナーを紹介します。
身近な人が大切なペットを亡くしてしまったとき、どのように接したら相手を傷つけずに言葉をかけてあげられるでしょうか。以下で2つ解説します。
相手の気持ちに寄り添う
前提として飼い主様にとって、「ペットはかけがえのない存在である」と理解することが重要です。ペットは相手にとって大切な家族であり、友人であり、パートナーです。長生きしたペットであればなおのことその思いは強くなります。
ペットを飼ったことがない人にとっては難しいかもしれませんが、まずペットを亡くした相手の気持ちを考えましょう。相手にとっては大切な家族の一員のため、子供や兄弟を亡くしたときと似ています。
自分にとって大切な人を亡くしたことを想像して、言葉を選びましょう。相手の気持ちに寄り添い話を聞くこと、側にいてあげるなど相手が望んでいることをしてあげてください。
病気や事故、老衰など、ペットが亡くなってしまう原因やペットが何歳まで生きたのかによっても、飼い主様の気持ちは変わります。そのため、もし亡くなった状況・原因がわかる場合は、状況や原因に合わせた言葉や態度を示しながら寄り添うことを心がけましょう。
言葉よりも気遣いを優先させる
ペットに不幸があったことを知ったら、メールや対面などの手段を問わずできるだけ早く飼い主様に言葉をかけることが大切です。
その際は、人間と同じように「お悔やみを申し上げます」などの言葉を使っても問題ありません。軽率な言葉にならないように気を付けましょう。
たとえば、「落ち着いたら、ゆっくり話を聞かせてね」「辛かったね、寂しくなるね」など、相手を気遣った言葉を選んでください。相手が親しい友人・恋人などの場合は、相手の性格などを踏まえたうえで様子を見ることも重要です。
ただし、飼い主様やタイミング次第では、声をかけられること自体を嫌がる場合もあるため注意が必要です。
【亡くなった状況別】ペットを亡くした人にかける言葉と例文
亡くなった状況がわかっている際は、それに合わせてかける言葉を選びましょう。病気、事故、寿命の3つの状況別に、実際に飼い主様に言葉をかける際はどのような内容にすべきか、状況別にポイントと例文を紹介します。
病気で看病の末亡くなった場合
2-1.病気で看病の末亡くなった場合
病気の治療や看病をしていた場合、闘病していたペットはもちろん、飼い主様も一緒に病気や看病と戦っていたケースが多いでしょう。
なかには、「もっと頑張れば良かった」「まだ何かしてあげられたのでは」と、後悔している場合も少なくありません。
言葉をかける際は、頑張ってきた飼い主様とペットを労うとともに、前向きな言葉を選ぶとよいでしょう。例えば、次のような言葉がおすすめです。
「○○ちゃん(ペット)は△△さん(飼い主様)がずっと寄り添ってくれたことを幸せに思っているでしょうね」
「○○ちゃん(ペット)は△△さん(飼い主様)とずっと一緒にいたくて頑張ったんだね」
「○○ちゃん(ペット)は△△さん(飼い主様)が最後まで一緒にいてくれて幸せだったと思うよ」
事故や急病で突然亡くなった場合
事故や急病により思いがけずペットを亡くしてしまった場合、飼い主様はなかなか現実を受け止められずに苦しんでいたり、自分を責めていたりする可能性が考えられます。死因が明確にわからない場合は、死因についてはむやみに触れないほうがよいでしょう。
言葉をかける際は、ペットの冥福を祈る言葉や、飼い主様のもとで過ごせてペットは幸せだった、という旨の励ます言葉を選びましょう。例えば、次のような言葉が適しています。
「突然のことで言葉が浮かばないけど、○○ちゃん(ペット)が安らかに眠れるようお祈りしています」
「△△さん(飼い主様)と一緒に過ごせて、○○ちゃん(ペット)は幸せだったと思う」
「急な知らせで驚いています。大好きな○○ちゃん(ペット)がいなくなって寂しくなるね。私で良ければいつでも話を聞くよ」
老衰や寿命で旅立った場合
老衰などで天寿を全うした場合、一緒に過ごした時間が長い分だけ、飼い主様の喪失感も大きくなるものです。介護をしていた場合、「まだできることがあったかもしれない」と飼い主様が後悔してしまう可能性もあるでしょう。
以上を踏まえて、言葉をかける際は、飼い主様のおかげでペットが長生きし、自然に寿命を迎えたと前向きに伝えられるような言葉を選ぶのがおすすめです。たとえば、次のような言葉がよいでしょう。
「大往生できて、○○ちゃん(ペット)はとても幸せだったと思います」
「こんなに長生きができたのは、△△さん(飼い主様)が小さい頃から大事に育ててきたからですね」
「○○ちゃん(ペット)は△△さん(飼い主様)と一緒にたくさんの思い出が作れて、嬉しかったと思うよ」
【相手別】ペットを亡くした人にかける言葉と例文
友人や上司など、相手との関係性によりかける言葉は変わるでしょう。死因がわかっていても職場の上司や目上の人の場合には、以下のように言葉を選んでみてください。
友人・恋人
気心の知れた友人や恋人に対して「お悔やみ申し上げます」「ご冥福をお祈りいたします」は、堅苦しい印象があります。そのため、メールやSNSでペットが亡くなったことを知ったら、ペットの名前を入れたメッセージを送りましょう。
近しい仲だからこそ相手の悲しみに寄り添い、あたたかい言葉をかけることができるはずです。直接会って言葉をかけられそうなら、自宅にお線香をあげに行ったり、相手の話を聞いてあげたりするのも良いでしょう。
ただ話を聞いて辛い気持ちを吐き出させてあげるだけでも、良いはずです。たとえば、次のような言葉をかけてあげましょう。
「○○ちゃん(ペット)がいないと、寂しくなるね。でも△△さん(飼い主様)とずっと一緒に過ごせて幸せだっただろうね」
「○○ちゃん(ペット)がいなくなってしまって悲しいね。つらいときはいつでも声をかけてね」
「いつもそばにいてもらえて、〇〇ちゃん(ペット)は嬉しかったと思うよ」
上司・同僚
ビジネスパートナーである上司や同僚のペットが亡くなられたときにかける言葉には、特に気をつけましょう。ペットの話題について触れなくてもいいのなら、無理に言葉をかけない方が良いケースもあります。
ビジネスメールであれば型通り「愛犬のご冥福をお祈り申し上げます。お気持ちお察しします。」と言葉をかけましょう。そして後日直接会うことがあれば、様子をみて声をかけたり話をしたりすることが無難です。
「この度は〇〇ちゃん(ペット)が亡くなられてご愁傷さまです」
「○○ちゃん(ペット)が旅立たれたと聞きました。あまり無理をしないでくださいね」
近所付き合いの関係
となり近所で付き合いのある方のペットが亡くなったときは、無理に声をかける必要はありません。もし何かしたいと思うのであれば、お供えの花など、お悔やみの贈り物をするとよいでしょう。
その際メッセージカードなどに次のような言葉を書くと、もらった相手は嬉しく思うはずです。
「いつもかわいかった〇〇ちゃん(ペット)がいなくなると寂しいですね。○○ちゃん(ペット)は△△さん(飼い主様)と暮らして幸せだったと思います」
外国人の友人
海外でも、日本と同様に、死を直接的に表現することは避けられています。そのため、死を遠回しに表現する言葉が用いられます。
代表的な表現のひとつが「pass away」です。本来、人間の死に対して使われますが、ペットに対しても用いられることがあります。ペットを家族の一員とみなす文化が海外にも根付いているためです。
ほかにも、「lose」や「loss」などの表現も、死を遠回しに表現する際に用いられます。どちらも「失う」という意味です。
ペットを亡くした人にメールでお悔やみを伝える場合
ペットを亡くした知人が遠方に住んでいるため、直接お悔やみの言葉を伝えられない時があるかと思います。以下では、メールでお悔やみを伝える場合、気を付けるべきことを説明します。
一般的なお悔やみの言葉
お悔やみの言葉といえば、「安らかな永眠をお祈り申し上げます」や「ご冥福をお祈り申し上げます」などが一般的です。しかし、安易に使うのは良くありません。
亡くなったペットの飼い主様がペットの死をまだ受け入れられていない時、「永眠」や「ご冥福」という言葉には抵抗を感じる可能性があるからです。言葉選びは慎重にしましょう。
虹の橋を渡ったと表現することも
ペットが亡くなると、「天国のような場所に行き、飼い主様と再会できる」という詩があるように、ペットの死を「虹の橋を渡った」と表現する飼い主様もいらっしゃいます。
メッセージが思いつかない方は、詩を送っても良いかもしれません。
LINEでお悔やみを伝えても問題ないのか
LINEでお悔やみを伝えても問題ありません。しかし、メールと同様に、冒頭に「お悔やみ申し上げます」などのお悔やみの言葉を添えましょう。
LINEは気軽にやり取りできるツールですが、お悔やみの言葉は丁寧に伝えることが大切です。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
- 誤字脱字がないか、よく確認する
- 絵文字やスタンプは、控えめに使う
- 長文を送るよりも、簡潔にまとめる
なお、LINEでお悔やみを伝える場合は、相手がLINEを頻繁に使用しているかどうかも考慮しましょう。あまり使用していない場合は、メールか電話で伝えた方が良いかもしれません。
ペットを亡くした人に避けるべき言葉
ペットを亡くした人に対して言葉をかけるときは、慰めているつもりでも、相手を傷付けるかもしれない言葉があるため注意が必要です。
以下は、相手にかける言葉として、避けるべきNG表現の一例です。
「また新しいペットを飼ったら?」
「たかがペット」
「(他のペットがいる場合)他の子がいるから寂しくないでしょう?」
「もっとこうしてあげればよかったのに」
「残念だったね」
「可哀そうに」
特に気をつけたい言葉は「可哀想」や「残念」などの同情するような言葉です。相手は大切なペットを亡くして否定的になっています。お悔やみのつもりでも、思いやりがない言葉は逆効果になるため、気持ちに寄り添った言葉をかけましょう。
ペットが亡くなるまで懸命に看病や介護をしていた場合、飼い主様の行動や思いを否定するような印象を持たれる可能性があります。
ペットを亡くした人に言葉を伝えるタイミング
お悔やみの言葉をかけるのは、できるだけ早い方が良いでしょう。ペットを亡くした相手は、話を聞いてほしい、共有したいと思っている可能性があります。大切なのは相手の気持ちに寄り添い言葉をかけてあげることです。
忙しいときや連絡をもらってしばらく返事ができていなかったときは、素直に謝ってから弔意を伝えましょう。
お悔やみの気持ちを伝える贈り物
お悔やみの言葉を言いにくい、言葉は伝えたけれどもっと元気づけたいという場合は、花などの贈り物を渡してはいかがでしょうか。贈り物にメッセージカードを添えると相手はきっと喜んでくれます。
お花
お花を渡すときは、ペットにあった可愛らしいデザインのものや、明るい色の花を選びましょう。人の場合と同様に菊などの仏花を選ぶ必要はありません。優しい色合いの花は、受け取る相手の気持ちを明るく晴らすはずです。
おすすめは、生花かプリザードフラワーです。生花の寿命は10日前後ですが、プリザードフラワーの場合は5年程度と長持ちのため、長期保管を目的にした場合はプリザードフラワーを選びましょう。
お花以外の贈り物
花以外の場合は、記念品として以下のものを送る方が多いです。
- お線香、キャンドル
- ペットのための写真立て
- ぬいぐるみ
- メモリアルグッズ
- お菓子
ただし、メモリアルグッズなどペットを思い出すものは、亡くしたばかりでは辛くなる方もいるため、状況を見て判断してください。
まとめ
ペットを亡くしてしまった人に対しては、まずはペットを家族として大切に思う相手の気持ちに寄り添う姿勢が大切です。
なかには、言葉をかける以外の方法で寄り添う方が適していることもあるため、あくまで飼い主様の気持ちや性格を第一に考えるとよいでしょう。話を聞く、側にいてあげるなどでもお悔やみの気持ちを伝えられます。
言葉をかける際は、NG言葉を選んでしまわないように注意しつつ、状況に合わせて前向きな言葉や励ます言葉を中心に選ぶようにしましょう。