小動物の中でも、かわいらしく人になつきやすいハムスターは大人気ですね。ハムスターと暮らしている飼い主様の中には、寿命がどれくらいなのか、長生きするためにはどうすればいいのかなどが気になる方も多いでしょう。

ハムスターの平均寿命は約2~3年だと言われています。今回の記事では、長生きのために飼い主様にできることや、早めに気づきたい老化のサインについて詳しくご紹介します。ハムスターの飼い主様や、これからお迎えを考えている方はぜひ参考にしてみてください。

種類別ハムスターの平均寿命について

はじめにペットとして人気の5種類のハムスターの寿命をご紹介します。

ゴールデンハムスター

最も代表的なゴールデンハムスターの寿命は2~3年です。

ゴールデンハムスター

ジャンガリアンハムスター

小柄でカラーバリエーションが多いジャンガリアンハムスターの寿命は2~3.5年です。

ジャンガリアンハムスター

ロボロフスキーハムスター

優しい性格のロボフスキーハムスターの寿命は2~3年です。

ロボロフスキーハムスター

キャンベルハムスター

数えきれないほどのカラーバリエーションを誇るキャンベルハムスターの寿命は2~3年です。

キャンベルハムスター

チャイニーズハムスター

スタイリッシュな体型のチャイニーズハムスターの寿命は2~3年です。

チャイニーズハムスター

ギネスには4.5歳まで生きたイギリスのハムスターの記録が残っていますが、残念ながら種類までは掲載されていません。

ハムスターが長生きできない理由

上記でも紹介したようにハムスターには種類があり、寿命が比較的短い動物です。寿命が短い理由は、高い繁殖力により子孫を残すことができ、成長スピードが人間の30倍だからです。

また、ハムスターは体が小さいことから心拍数が早く、人間の心臓が1分間で約60回動くところ、ハムスターの心臓は1分間で約500回も動きます。

哺乳類の多くが生涯、心臓が動く回数は約15億回といわれており、ハムスターは心拍数が多いことから短命といわれているのです。

さらに、ハムスターは敵から身を守るためにストレスや病気があっても隠そうとする習性があるため、弱っていても発見が遅れてしまうおそれがあります。ハムスターの異変に気づいてあげられるように、日頃から観察しておきましょう。

ハムスターが長生きするためにすべきこと

長くても3年程度と寿命が短いハムスターですが、1日でも長生きしてもらいたいですね。そのために飼い主様が気をつけるべきことをご紹介します。

ストレスを与えないようにする

長生きのためには、できるだけストレスのない生活が必須です。ハムスターは野生では他の動物に食べられる存在なので、本能的に大変怖がりです。

特に、物音や足音、突然ケージに近づくなどが強いストレスになるため、テレビの近くやドアの開け閉めの多いドア付近、玄関などにゲージを置くのは避けましょう。

ゲージをきれいに保つ

ゲージが不潔だと、病気になりやすいだけでなくストレスにもなります。1日に1回は必ずゲージの掃除を行いましょう。ゲージ自体の消毒も、定期的に行うことが大切です。水やフードも毎日交換し、水入れやお皿も忘れずに洗いましょう。

ハムスターに合わせて適切な食事を与える

野生のハムスターはやや草食に近い雑食で、草の茎や葉、種、虫などをバランスよく食べています。人と生活しているハムスターの場合、ついつい高カロリーになりがちで肥満になることが多いです。太ってきた場合は、ペレットが増えすぎていないかなどを見直しましょう。

高齢になって固いフードが食べられなくなった場合、ふやかした柔らかいものを与えるなどの工夫も必要です。

温度管理を徹底する

ハムスターの生息地は北半球の涼しく乾燥した地域です。理想の温度は20℃~24℃くらいと、人には少し涼しく感じる温度です。寒さは比較的得意ですが、15℃以下になると体に負担がかかり5℃以下では命に関わります。

暑さには大変弱く、25℃を超えると体力が奪われ30℃以上には耐えられません。エアコンなどを利用して、室内を20℃~24℃に保ちましょう。

ハムスターは温度だけでなく湿度にも気を配る必要があります。高湿度の環境は苦手なので、60%以下の湿度を保つように気をつけましょう。

毎日ハムスターを観察してあげる

小さな異変を見逃さないように、毎日の細やかな観察が大切です。特に、目や口、皮膚や手足の動きなどに変化がないか確認しましょう。食欲や排泄物もしっかりチェックし、少しでも気になることがあった場合は早めに病院を受診すると良いでしょう。

長生きしているハムスターが出す老化のサイン

長生きのハムスターが出す老化のサイン

ハムスターは寿命が短い動物です。老化スピードも早いため、いち早く気づいてケアすることが必要です。ここではハムスターの老化サインについてお伝えします。

睡眠時間が長くなった

シニアになると活動時間は減り、睡眠時間が増えます。ハムスター寝る時間の長い動物で、特に日中はほとんど寝て過ごすことが多いですが、シニアハムスターはさらに数時間睡眠時間が増えます。若い時は活動していた夜間や明け方なども寝ていて、1日中寝ているという日も出てくることがあります。

毛並みや毛艶が悪くなった

ハムスターは、毛づくろいや砂浴びによって常に自分の体を清潔に保ちます。シニアになると、毛づくろいや砂浴びをあまりしなくなったり、上手にできなくなったりします。また、代謝が落ちることなどもあいまって、毛並みが悪くなり毛艶がなくなることも多いと言えます。

ハムスターの体重が減った

老化により消化器官の機能が衰え、食欲自体が減少することで、体重は減少傾向になります。もともと小柄な動物なので、たった1gの体重減少でもハムスターにとっては激減です。フードを変えるなどの工夫や、必要に応じて動物病院への受診を行いましょう。

動きが遅くなった

老化が進むと運動を避け、さらに足腰が弱ると歩く時にふらつくなどの様子がみられます。段差などを乗り越えられなくなったり、頻繁につまずいたりすることも老化のサインです。シニアハムスターには運動はあまり必要ないため、ゲージの中はシンプルに動きやすい環境に整えましょう。

長生きして老化したハムスターの飼育方法

若いハムスターと老化したハムスターを同じ方法で飼育すると、老化したハムスターに無理をさせてしまうかもしれません。年老いたハムスターに最善の対応をするために、以下のポイントを注意しましょう。

回し車を外す

ハムスターが老化して活動が少なくなったら、回し車を外してあげましょう。年をとったハムスターが回し車で無理して走ってしまうと、心臓や肺に大きな負担をかけてしまいます。

ハムスターに運動させたほうが健康に良いと思ってしまいがちですが、体に負荷がかかると体調を崩してしまいます。無理な運動をさせないためにも、回し車は外しておきましょう。

高齢ハムスターに合うエサを与える

高齢のハムスターに通常のエサを与えても食べてもらえないことがあります。昔から与えているエサを全然食べない、いつもよりエサの減る量が少ないと感じたら、シニア用のフードを与えましょう。

シニア用のハムスターのエサは、一般的なペレットと比較しても低脂質で柔らかく食べやすいように作られています。そのため肥満になりづらく、硬いものが食べられないハムスターにもおすすめです。

健康を頻繁にチェックする

ハムスターが1歳を過ぎたら病気や怪我のリスクが高くなるため、健康を頻繁にチェックしましょう。健康をチェックする際は、目の輝きや爪、歯の長さ、糞の色や硬さ、エサの減りを日々確認してあげてください。

少しでも違和感があった時は、かかりつけの医師に診てもらいましょう。また、ハムスターは病気や怪我を隠す傾向にあるため、日々のチェックが重要です。

病気の早期発見と早期治療を心がける

ハムスターが高齢になったら、頻繁に健康を確認しましょう。高齢なハムスターは免疫力が弱く、病気や怪我をしやすく命を落とすおそれがあります。

また病気や怪我をした場合には、症状が重症化しやすいでしょう。しかし、早く発見できれば、その分早期に治療ができるため、怪我や病気も治りやすくなります。少しでも病気や怪我のおそれがあれば、すぐに病院に連れて行ってあげてください

高齢のハムスターが食べやすいエサの与え方

先述したように、小さい時によく食べていたエサでも、高齢になるとなかなか食べなくなったということもあります。

健康に過ごしてもらうためには、高齢ハムスターに合うエサを与えなければいけません。以下では、高齢のハムスターでもエサが食べやすい方法について解説します。

ふやかして食べやすくする

今まで与えていたエサが硬く、高齢になり食べなくなったら歯が弱くなり、かじりづらくなっているおそれがあります。

歯が弱くなった場合は、ペレットに水を含むと柔らかくなり、より食べやすくなります。しかし、水が含んでいるエサは腐りやすくこまめに取り替える必要があるため要注意です。

今までご飯を食べてくれなかったという場合でも、エサを柔らかくして食べやすくすることで今までと同じように食べられるようになるでしょう。

団子状にする

硬いものが食べづらくなった高齢のハムスターには団子状にしたペレットがおすすめです。ペレットを団子状にする方法は、以下の手順です。

  1. ペレットを細かく砕く
  2. 他のエサも一緒に混ぜて砕く
  3. 水を加えて丸くする

しかし、ペレットは硬くてなかなか砕くのが大変です。そのため、事前にニンニク潰しでペレットを砕いておくと、他のエサと一緒に混ぜやすくなるでしょう。団子にしたペレットも水分が多く腐りやすいため、こまめに取り替えてあげてください。

流動食にする

ご飯を自ら食べられない、動くことすら困難というハムスターには流動食がいいでしょう。

噛むことができないハムスターでも舌で舐めることはできます。また、自ら動くことができないハムスターの場合、水分補給も困難のため、流動食を与えると栄養だけでなく水分補給も可能です。

作り方はペレット団子とほとんど一緒で、より多くの水分を入れてドロドロとしたスープのような状態になるように作りましょう。流動食にすると高齢ハムスターでも食べやすく、しっかり栄養を摂れるため、全然エサを食べていなくて心配という場合におすすめです。

栄養剤を与える

流動食をつくってもエサを食べてくれないという場合は、栄養剤を与えてみましょう。ペースト状の栄養剤であれば、弱ってしまったハムスターでも食べてくれることがあります。

まったく食べなくなってしまったハムスターが心配で少しでも食べてほしいと感じている場合は、栄養剤をぜひ試してみましょう。

長生きのハムスターが気をつけるべき病気

長生きのハムスターが気をつけるべき病気

ハムスターはさまざまな病気に注意が必要な動物です。ここでは中でも特にハムスターがかかりやすい病気をご紹介します。

結膜炎

ゲージの掃除を少しでもおろそかにすると、かかりやすいのが結膜炎です。ほこりやゴミなど目に見えるものだけなく、目には見えない排泄物に含まれるアンモニアや細菌なども大きな原因となります。

目が赤くなっていたり、しきりに目をこすったりする場合は結膜炎の可能性が高いため、すぐに動物病院での治療が必要です。

腫瘍

腫瘍はシニアハムスターに比較的多く、内蔵にできる腫瘍と皮膚にできる腫瘍が代表的です。内臓の腫瘍は治療が困難な場合も多いですが、皮膚の腫瘍は早期に治療を行えば完治することも多いと言えます。

皮膚の腫瘍は、スキンシップ時に体のどこかにしこりや固い部分があることで気づくことが可能です。背中側だけでなく、お腹側にも触れてよくチェックしましょう。

皮膚病

皮膚病は、ハムスターが最もかかりやすい病気のひとつです。原因には細菌やホルモン異常、毛包中やダニなどの寄生虫などが挙げられ、アレルギーの可能性が考えられるケースもみられることがあります。

ゲージ内の清潔を保つと同時に、皮膚の観察をしっかり行い早期発見できるように気をつけましょう。

ハムスターの万が一に備えて準備しておくこと

どんなに長生きをしても、ハムスターの寿命は3年程度と、人の感覚ではとても短いと言えます。一緒に暮らし始めたばかりだと思っていても、気づくとシニアハムスターになっていることも多いでしょう。普段から最後をどのように見送るかを考え、心の準備をしておくことが大切です。

ハムスターの寿命が近づいてきたら、動物病院とよく相談し、あらかじめハムスターの性格、飼い主様の希望などを伝えて、状況に応じた最期を見届けられるように準備すると良いでしょう。

ペット葬を任せられる葬儀会社の下調べも大切です。どのようなセレモニーでお見送りしたいかなどを事前に決めておけば悔いのないお別れができるでしょう。

ハムスターの一生は短い。悔いない生活を送ろう!

今回の記事ではハムスターの寿命についてお伝えし、長生きのためにできることや、老化のサインについてご紹介しました。

ハムスターは人と比べてとても短い一生を送ります。ハムスターにとっての1日は人にとっての1日よりも、より密度の濃いものだと言えるでしょう。日々の愛情が大切です。

また、こうして多くの飼い主様が家族のように大切に思っているペットたちも、いつか別れの時が訪れてしまいます。悔いなくお別れするためには、生前の元気なうちから終活や葬儀について考えみてはいかがでしょうか。

COCOペットでは犬などのペットの火葬を承っております。24時間365日ご予約やお問い合わせを受付中です。どうぞご気軽にご相談ください。