「飼い主様のなかには、年老いた愛犬を無理に散歩に連れて行くのはかわいそう」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、老犬だからこそ日々の散歩をすることで、健康維持につなげられます。

本記事では、日々の散歩が老犬にもたらす効果や、成犬の頃と比べて注意すべき点について解説します。

老犬の散歩は様々な効果が期待できる

老犬との散歩は、飼い主様とのコミュニケーションだけでなく、3つの良い効果が期待できます。

ストレス解消

散歩を定期的に行うことは、老犬のストレス解消に効果的です。

老犬は体の機能が低下していることで思うように動けないことがあり、若い頃よりもストレスを感じやすくなっている可能性があります。

そのため、定期的に散歩に連れて行き適度な運動をさせることは、老犬にとって良い刺激となり、ストレス低減になります。

自力で歩けない老犬の場合、無理に歩かせることは避けて、ベランダで風にあたる程度のことでも十分気分転換になるでしょう。

運動能力の維持

定期的に散歩を行うことで、老犬の筋力の低下を防ぎ運動能力の維持につながります。

運動能力の維持は足腰の衰えを防ぐだけでなく、肥満の防止にもつながるため、糖尿病や心臓病といった疾患の予防効果が期待できるでしょう。さらに、散歩することで全身の血行も良くなるため代謝が上がります。

代謝が上がると食事で取り入れた栄養を吸収しやすくなるというメリットがあり、健康状態の維持に効果的です。

脳の活性化

散歩を行うことは、老犬の脳にとっても良い影響を与えます。犬が年を取ると神経系の機能が衰えることもあり、場合により認知症などを発症します。

認知症は、生活リズムが毎日同じだと発症するリスクが高まるため、予防のために脳へのちょっとした刺激が必要です。

特に散歩は、他の犬との触れ合いや、自然の景色を見せてあげられるため、脳を活性化してくれる良い刺激となります。

老犬の散歩の時間や量

老犬は成犬と比べて身体機能が低下しているため、普段の散歩の時間や量も調節する必要があります。以下では、老犬の散歩で必要な時間や量の目安を解説します。

短時間の散歩を数回にわける

老犬との散歩では、短時間の散歩を数回に分けることがおすすめです。

成犬とは違い、老犬は足腰が弱っており疲れやすいため、長時間の散歩が負担になり、散歩自体を嫌がってしまうケースもあります。散歩を嫌がるようになってしまうと運動不足となり、肥満をはじめとした生活習慣病を患う可能性があります。

そのため、老犬への負担を考慮して、1回10分程度を目安に1日2~3回に分けて散歩すると良いでしょう。

愛犬の体調に合わせる

散歩は老犬にとって大切ですが、その日の体調に合わせるように意識しましょう。

老犬になると、身体や心の状態、その日の気候の変化などで体調が変わりやすくなります。

たとえば身体の衰えが原因で散歩中に立ち止まったり、足を引きずるように歩いたりする場合があります。

体調が悪いのに無理して散歩させても悪影響なため、適度に休憩を入れてあげるなど、飼い主様が愛犬の体調に合わせることが大切です。

老犬の散歩で注意すべき点

老犬との散歩は成犬の頃の散歩と違い、注意すべき点が3つあります。

ハーネスを装着する

老犬との散歩では、首輪よりハーネスを装着した方が安全です。

老犬は筋力の低下により足腰が弱るため、少しの段差でもつまずきやすく、転倒のリスクがあります。

首輪での散歩は、万が一転倒してしまった際、愛犬の体を支えてあげられないため、老犬との散歩におすすめできません。 転倒することで足や首を痛めたり、打ちどころにより骨折したりする場合もあります。歩行に不安のある老犬と散歩に行く際は、体をしっかり支えてくれるハーネスを装着しましょう。

なるべく平らなコースを選ぶ

老犬との散歩は、できるだけ平坦で歩きやすいコースを選ぶことが大切です。

若い頃は、階段や坂道なども自由に走り回れるため、散歩コースをあまり意識していなかった方が多いでしょう。しかし、老犬になると、足腰や心肺機能が低下するため、若い時に散歩していたコースが負担になる場合があります。

老犬と散歩する場合は、階段や坂道、転倒の危険がある砂利道などは避け、整備された平らな道を散歩コースとして選んであげると負担になりません。

暑い・寒い時間は避ける

老犬との散歩では、暑すぎる・寒すぎる時間帯を避けるようにしましょう。

犬は年を取ると、暑さや寒さを感じる器官が鈍くなるとともに、体温の調節機能も衰えていきます。

体温調節ができなくなることで、暑さや寒さに対しても鈍感になるため、気づいたら熱中症で倒れてしまうことも珍しくありません。

そのため、夏の間は涼しい早朝か夕方、冬の間は火が出ている日中に散歩するなど、丁度いい気温の時間帯を選ぶことが大切です。

老犬が散歩を嫌がる時はどうする?

老犬が散歩を嫌がる時はどうする?

犬は散歩が大好きですが、老犬の場合は体や心の不調が原因で、散歩に行くのを嫌がることもあります。

以下では、老犬が散歩に行きたがらない際の対策について解説します。

ウォームアップしてみる

老犬が散歩を嫌がってしまう場合、関節や筋肉をマッサージしてウォームアップしてみましょう。

老犬が散歩に行きたがらない理由として、関節や筋肉の痛みが原因であることは少なくありません。老犬は成犬と比べて運動量が減っているため、関節や筋肉が硬くなりがちです。

そのため、老犬と散歩に行く前は、固まった筋肉や関節を温めるようにマッサージを行うことで、歩行時の痛みを軽減できるかもしれません。

犬用カートを利用する

老犬が歩かない場合は、犬用カートを利用することも効果的です。

歩けなくなったとしても室内にこもっているのは老犬にとってストレスとなり、老化を進行させやすくします。

犬用カートを利用することで、外の空気や自然に触れられるため、老犬の気分転換やストレス解消につながります。

室内でできる運動をしてみる

どうしても散歩に行くのを嫌がってしまう場合は、室内でできる運動をすると良いです。

室内で運動を行う場合は体を動かすことと併せて、できるだけ五感を使うような遊びをすると認知症予防に効果的です。

たとえば、おやつを部屋に隠して老犬に宝探しさせる遊びは、嗅覚を使えますし、部屋の中を動き回ることで軽い運動になります。

老犬と一緒に散歩することで長生きにつながる

老犬と一緒に散歩することで長生きにつながる

犬は老化により、身体的にも精神的にも衰えます。

老犬と一緒に散歩をすることで、老化の原因であるストレスや筋力の低下を予防できるため、大切な愛犬を長生きさせるためにも、積極的に散歩をしましょう。

しかし、犬の一生は人間の一生よりも短いため、お別れの時は必ずやってきます。亡くなる前から、愛犬とのお別れをどのようなものにしたいかを決めておくことで、老犬との日々を後悔のないものにできるでしょう。

COCOペットでは、大切なペットを後悔なく送り出すお手伝いをしております。生前のご相談も承っておりますため、お気軽にお問い合わせください。