外飼いの犬と生活している飼い主様の中には、犬がシニアになってきて、室内飼いにするべきかどうか迷っている方も多いでしょう。室内飼いの方が、メリットが多いように思えるものの、注意点も知りたいという方がいるかもしれません。

今回の記事では、外飼いの愛犬を室内飼いに変更するメリットや、ベストなタイミング、ストレスのない室内飼いへの移行方法についてお伝えします。飼い主様が注意すべき点も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

老犬を外飼いから室内飼いにするメリット

老犬を外飼いから室内飼いにするメリット

老犬を外飼いから室内飼いにするメリットにはどのようなことが挙げられるのでしょうか。ここでは、大きなメリットについて3つ解説します。

気温の変化が少なくなる

日本の場合、四季によって気温の変化が大きいですね。夏の熱中症や冬の寒さによる消化器のトラブルなど、犬も気温の変化で体調を崩すことは多いと言えます。犬種によっても特に暑さが苦手な犬や寒さに弱い犬がいます。さらに、老犬になると体温の調節を体内で上手にできなくなるため、より一層気温には注意が必要です。

外飼いでも、飼い主様の工夫によって暑さや寒さをしのぐことは可能ですが、老犬には厳しいことも多いでしょう。室内は、外に比べて気温の変化が少ないです。エアコンなどの利用によって、さらに快適な室温を保つことも可能になります。老犬にとっては外よりも室内の方が暮らしやすい環境だと言えるでしょう。

怪我や病気の可能性が下がる

外には色々な危険があります。例えば、外で暮らしていると、ダニやノミなど外部寄生虫に寄生されたり、フィラリアなどの感染症にかかったりするリスクも高いと言えます。多くの飼い主様はこれらの予防をしっかりと行っていますが、リスクをゼロにすることは難しいでしょう。

外飼いでは通りがかりの通行人にいたずらをされてしまったり、食べてはいけないものを与えられてしまったりなどの予想外の出来事に遭遇する可能性もあります。つないでいたリードが切れてしまって迷子になる、リードに絡まって怪我をするなどの危険もあるため、室内飼いの方が安全面でのメリットが大きいのです。

異変に気付きやすい

老犬の体調の変化には、いち早く気づいてあげることが重要です。犬は言葉で自分の状態を伝えることができないため、飼い主様が普段から犬の様子を良く見て異変に対処する必要があるのです。外飼いでは、どうしても一緒にいる時間が限られるため、難しいことも多いでしょう。

室内飼いでは、愛犬が常に飼い主様のそばにいるため、生活の中での何気ない変化に早期に気づくことが可能です。フードを食べる様子や、排泄の回数や量、歩き方や顔つきなど、愛犬の異変にすぐに気づくためには室内飼いの方がメリットは大きいと言えるでしょう。

室内飼いを検討するタイミング

室内飼いを検討するタイミング

上では室内飼いにするメリットをお伝えしました。ここでは外飼いの犬を室内飼いに変えるタイミングについてお伝えします。

シニア期に入ったとき

検討のタイミングのひとつは、犬の年齢です。犬の場合、7歳くらいからをシニア期と呼びます。この年齢をめどに、室内飼いに移行することを検討しましょう。この頃は犬の見た目や行動には変化がみられず、まだまだ若いと思えるかもしれません。しかし、この頃から筋肉量が落ちる・代謝が低下するなどの老化現象が始まります。

シニア期になると免疫力も低下し、ウイルスや細菌などによる感染症へのリスクが高まります。心臓の病気や腎臓の病気などの基礎疾患を持つ犬も増え、寒暖差が体に大きな負担となります。関節のトラブルも多く、外の環境がつらくなってくる可能性もあります。愛犬が7歳くらいになったら室内飼いに変更することを検討してみましょう。

体調に変化が見えたとき

もしも、夏に熱中症になりかけたり、冬に下痢をしたり食欲がなくなるなど体調に明らかな変化がみられた場合、すぐに室内飼いに切り替える必要があります。あまり動かなくなった、寝ている時間が増えたなど行動が変わった場合も同様です。しかし、老犬がこのような体調不調をきたした場合、回復までに多くの時間を要する可能性が高いです。

体調に変化がなくても、上でお伝えしたように7歳くらいをめどに室内飼いに変更するのがベストでしょう。

老犬をストレスなく外飼いから室内飼いに移行する方法

老犬をストレスなく外飼いから室内飼いに移行する方法

老犬を室内飼いにするメリットは大きいと言えますが、犬にとっては環境の変化はストレスになります。特に老犬はストレスによって体調を崩しやすいため、できる限りストレスを与えずに室内飼いに移行する必要があります。

徐々に移行する

外飼いの犬にとっては、室内には嗅いだことのないような臭いや、見たことのない家具、聞いたことのないテレビの音などの生活音などがたくさんあります。飼い主様にとっては当たり前の環境が、犬にとっては大きなストレスになるのです。外飼いの犬を、ある日突然、室内飼いにしてしまうことはおすすめできません。

室内飼いへの移行の際、まずは、玄関を開け放して犬が室内と外を自由に行き来できるようにすると良いでしょう。室内でご飯を食べるようにしたり、飼い主様が遊んであげたりするなど、室内にいると楽しいと知ってもらうことが大切です。時間をかけてゆっくりと室内での生活に慣れてもらいましょう。

できるだけ早い時期にする

犬が環境に順応するためには、年齢も考慮する必要があります。老化が進むにつれて環境の変化に適応しづらくなるため、できる限り早い時期から室内飼いに切り替えはじめることがおすすめです。可能であれば、犬が若い時から時々室内にも入れて、室内でおやつをあげるなどあらかじめリラックスできるように準備しておくと良いですね。

老犬を外飼いから室内飼いにする注意点

老犬を外飼いから室内飼いにする注意点

愛犬を室内飼いにすると決めた場合、飼い主様が予め注意しなくてはならないことがあります。

トイレは失敗すると考えておく

外飼いできちんとトイレでの排泄ができていても、室内飼いにした直後は失敗するケースがほとんどです。慣れない環境や、トイレと生活空間が近すぎるなどの理由で、室内で排泄を我慢してしまう犬もいます。外飼いの場合、もともとトイレトレーニングをしていなかったということもありますね。

室内飼いではトイレトレーニングが必須です。外飼いでできていた犬も、もう一度新しい環境でトイレトレーニングをし直しましょう。若い時よりもスムーズに進まないことも多いですが、焦らず根気よく続けることが大切です。

老犬のための部屋作りが必要になる

犬を室内に入れてあげさえすれば良いというわけではありません。老犬の場合、室内でも気温の変化には注意が必要なため、エアコンなどを上手に利用しましょう。フローリングなどの滑りやすい床は滑りにくい素材に変える、階段などの段差はできるだけなくすなどの工夫で、老犬のための部屋作りを行いましょう。

室内には飼い主様の食事など、犬が興味を持って口に入れたくなるものがたくさんあります。人間の食べ物の中には、犬にとっては中毒を起こすなど危険なものも多く危険です。犬が口にしたら困るものは手の届かない場所に置く、ゴミ箱には蓋をするなどの徹底が大切です。

愛犬にとってベストな室内飼いへの移行を検討しよう

今回の記事では、外飼いの老犬を室内飼いにするメリットや注意点などをお伝えしました。最初の頃はトイレの失敗や、場合によっては犬の毛が気になるなどの不都合もあるかもしれません。

しかし、室内飼いは老犬にとってたくさんのメリットがあります。さらに、同じ空間で生活することで、今まで以上に飼い主様の生活を和ませてくれるでしょう。今回の記事も参考に、ぜひ室内飼いの検討をしてみてください。