トイプードルと暮らす飼い主様や、これからトイプードルをお迎えしたい方の中には、寿命や長生きしてもらう秘訣を知りたい方も多いでしょう。

愛犬に健康に長生きしてもらい、1日でも長く一緒にいたいのは飼い主様すべての共通の願いですね。

トイプードルの平均寿命は15歳程度で、比較的長生きしやすい犬種だといえます。今回の記事ではトイプードルの寿命やかかりやすい病気などをお伝えして、長生きのためにできることを具体的に7つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

トイプードルは長生きしやすい犬種?寿命や老化について

トイプードルは長生きしやすい犬種?寿命や老化について

はじめに、トイプードルの寿命や老化についてお伝えします。

平均寿命は15.4歳

ペットの保険会社アニコムが出した「家庭どうぶつ白書2022」

と、2020年度のトイプードルの平均寿命は15.4歳で、記載されている犬種の中では最も平均寿命が長いという結果でした。

データでは、2020年度の犬全体の平均寿命は14.1歳ということからも、トイプードルは長生きだといえる可能性があります。

しかし、老化スピードや寿命には飼育環境は個体差も大きく関わるため、あくまで目安として捉える方が良いでしょう。

ギネスで認定されている最高年齢は20歳

トイプードルでギネス認定されている最長寿年齢は20歳298日で、アメリカのSeamusという名前です。

この年齢は人間の年齢に換算すると96歳くらいに相当します。人間の年齢に換算してみるといかに長生きかがわかりやすいですね。

7~9歳頃から老犬といわれるようになる

老化現象の現れ方に個体差はあるものの、トイプードルは一般的に7~9歳頃から老犬(シニア犬)といわれるようになります。

犬の老化のサインは、見た目や行動に出やすいといえます。例としては、毛艶がなくなる、口臭が出るようになる、動きがゆっくりになる、寝ている時間が増えることなどが挙げられます。

ただし、上のような変化が「老化現象」であるのか、なんらかの病気による「症状」であるのかは、判断に迷うことも多いでしょう。気になる点があったら動物病院を受診して、獣医師に診断してもらうことが大切です。

トイプードルを長生きさせるために知るべき病気

トイプードルがかかりやすい病気

トイプードルには、ほかの犬種と比べてかかりやすい病気があります。

突然トイプードルの様子に異変が現れた場合も、かかりやすい病気を理解しておくと落ち着いて対応できるでしょう。

以下で、トイプードルに見られる病気について解説します。

外耳炎

外耳炎は、鼓膜の手前の耳道に炎症が起こる病気です。

外耳炎の原因は、細菌感染や耳ダニ、アトピーやアレルギー性、過剰な耳掃除など耳の中の状態により異なります。

トイプードルは耳の中にも毛が生えているため、耳の中の状態がより悪化する恐れがあります。

症状が軽ければ、内服薬や点耳薬により症状は改善しますが、原因が複数あり悪化している場合は感知しないこともあるため、早期発見が大切です。

流涙症

流涙症は、涙の量が増えるまたは涙が鼻腔に排出できないことにより、目の周りが涙で濡れて涙やけする病気です。

流涙症の原因は、鼻涙管の閉塞や逆さまつげ、アレルギー性結膜炎、角膜に傷があることなどが考えられます。

流涙症の恐れがある場合は、目の中にある異物やまつげを除去する、または点眼薬を使った治療、アレルギーであれば食事の改善など原因に合わせて治療します。

また、鼻涙管が閉塞している場合は、全身麻酔により鼻涙管を洗浄すると症状が改善するでしょう。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、大腿骨の滑車溝にある膝蓋骨が外れてしまう病気です。

滑車溝が浅かったり、膝蓋骨を支える筋肉のバランスが悪かったりすると外れやすいことがあります。また、子犬の頃から症状があると、成長により膝蓋骨脱臼を引き起こす可能性が考えられます。

よく膝蓋骨脱臼を起こすトイプードルの場合は、激しい運動は避けましょう。

前肢の骨折

トイプードルは、前肢を骨折しやすいです。

トイプードルの多くが、橈骨(橈骨)と尺骨という細い骨を骨折します。骨折の原因としては、椅子から飛び降りた拍子や飼い主様に抱き抱えられている際の落下により骨折することがあります。

状態により治療法は異なりますが、主な治療法はプレートにより骨折部位を固定する外科手術です。

若年性白内障

トイプードルは、若年性白内障を引き起こしやすいです。白内障は、目の水晶体が白濁し、視力が失われていく病気です。

人間の場合、大抵は老化とともに白内障を引き起こしますが、トイプードルの場合、年齢に関係なく遺伝的な要因で若年性白内障を発症します。

治療は、視力回復の外科手術をしますが、トイプードルの場合はリスクも高い手術です。

トイプードルに多い死因は腎不全

トイプードルによく見られる死因は、腎不全などの泌尿器系の疾患です。

トイプードルは体も小さい動物のため、健康で寿命をまっとうすることが難しく、疾患により命を落とす傾向にあります。

腎不全の他にも、循環器系の疾患や肝臓・胆嚢・すい臓系の疾患も多く、目には見えていないところで症状が進行している恐れもあります。

見た目は元気だからといって、放置してしまうと突然亡くなってしまったという悲しい結果を引き起こすことも考えられます。

トイプードルの飼い主様は、ペットがシニア期に突入したら日頃から異変がないか確認し、少しでも異変や違和感があれば病院に連れていくことが大切です。何事も早期発見と早期治療が重要のため、日頃から検診を受けておくと安心でしょう。

トイプードルに長生きしてもらうためにできる7つのこと

トイプードルに長生きしてもらうためにできる7つのこと

ここではトイプードルの長生きのために、飼い主様ができることを7つご紹介します。

ストレスがたまらない環境を整える

ストレスは様々な病気の大きな原因となります。長生きしてもらいたいなら、できるだけストレスのない生活が重要です。トイプードルは社交的で遊ぶことが大好きな犬種のため、留守番が多かったり、運動量が少なかったり、スキンシップを取る時間が少ないなどの生活ではストレスを感じやすいといえます。

犬はストレスがたまると、全身をブルブルと震わせたり、目を細めたり、あくびをしたりする「ストレスサイン」を発することがあります。ストレスサインが現れた場合は、その原因を突き止めて早めに解消することが大切です。

栄養バランスのとれた食事を与える

長生きのためには食事も大切ですね。体質や年齢、ライフステージに合っていて、炭水化物・タンパク質・脂質・ミネラル・ビタミンなどの栄養がバランス良く含まれているフードが理想的です。フード選びに迷ったら動物病院に相談するのも良いでしょう。

肥満は長生きの大敵です。肥満防止のために、食事量には十分な配慮が必要です。メインのフードだけでなく、おやつのカロリーや歯磨きガムなどにも気をつけましょう。また、人間の食べ物の中には、犬が中毒をおこすものもあるため与えないようにすると良いでしょう。

十分に運動させる

上記でもお伝えしたとおり、トイプードルは運動量が少ないとストレスがたまりやすい犬種です。ストレス解消や丈夫な筋肉を鍛えるためには、十分な運動量が必要です。

散歩の目安は健康な成犬であれば1日あたり30分~1時間です。持病がある場合やシニアの場合は負担のない範囲で行いましょう。

運動のためには屋外での散歩が最適ですが、難しい日などは室内での遊びにも工夫をしましょう。おもちゃや室内用の運動器具を使って遊ぶなど、でできるだけ運動させることが大切です。

ケガ・事故が起きない空間作りや室内の温度管理を忘れない

活発で走ったり飛び下りたりするのが大好きなトイプードルですが、骨は繊細で細いため骨折に注意が必要です。

トイプードルは、30cmほどのソファーから飛び下りたり、フローリングで足を滑らせたりするなどでも容易に骨折するため、家の中の段差をなくす、滑らない床材に変えるなどの配慮が必要です。

誤飲誤食や熱中症などにも注意が必要です。好奇心旺盛なプードルが口にしてしまいそうなものは手の届かないところに保管しましょう。体温調節が苦手な面もあるため、エアコンを利用して室内の温度をできるだけ25℃前後で一定に保つと良いでしょう。

犬は歯周病になりやすく、特に顎が小さく歯が密集しているトイプードルなどの小型犬は注意が必要です。歯周病になると、歯が抜け落ちたり内臓疾患を引き起こしたりする恐れがあります。

歯周病を予防するには毎日の歯磨きが大切です。シニアになってから初めて歯磨きをしようとしてもうまくいかないことが多いため、お迎えしたらできるだけ早く歯磨きに慣れてもらいましょう。

定期的にシャンプー・カットする

トイプードルは毛が抜けにくい面も人気ですが、毛が伸びるスピードが早い犬種でもあります。

定期的にシャンプーやブラッシング、カットをすることで皮膚を清潔に保つように心がけましょう。シャンプーは頻度が多すぎると皮膚が乾燥しやすくなるため注意が必要です。

半年~1年に1回は健康診断を受ける

健康診断で血液検査などのデータをもとに、犬の健康状態を把握しておくことは長生きのためにとても大切です。

多くの病気は早期発見、早期治療によってその後の寿命や生活の質が向上します。健康診断は若い犬でも1年に1度は行いましょう。シニア期に入ったら半年に1回受けるのが理想的です。

「何かおかしい」と感じたら早めに動物病院を受診しよう

「何かおかしい」と感じたら早めに動物病院を受診しよう

犬との生活の中では、少しの異変に気付いた時にすぐに動物病院に行くべきなのか、それほどでもないのかを迷ってしまうことも多いでしょう。

犬の長生きのためには、わずかな異常に気づいて病気の早期発見・治療につなげることが重要のため、「何かおかしい」「いつもと違う感じがする」などと感じた時は、自分で判断せず早めに動物病院を受診しましょう。 小さな異変に気付くためには、日頃から愛犬とよく触れあい観察しておくことも大切です。

骨折などに注意してトイプードルとの生活を楽しもう

今回の記事では、大人気の犬種トイプードルに着目し、寿命や長生きのために飼い主様にできることをご紹介しました。活発な性格のトイプードルとの生活は毎日が明るく楽しいものでしょう。頭が良く人間社会に馴染みやすい面も長所ですね。

楽しい生活を続けるためには、骨折や外耳炎などに注意が必要です。飼い主様の細やかな配慮によって、平均寿命を超えてそばにいてくれることも可能になります。今回の記事もぜひ参考にしてみてください。